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口臭の原因?舌苔は取ったほうがいいの?

舌苔の口臭への関わりと除去方法

口臭とは?

『吐く息に含まれている口臭成分を人が感じるもの』で、吐く息とともに口の中から出てくる悪臭の総称です。口臭に対しての関心は年々高まってきており、口臭が気になるということでご来院される患者さんも増えてきています。口臭の大部分(80%以上)は口腔内の気体由来であり、お口の中の菌が悪さをすることで産生されると言われています(※1)。口臭は「自分で気づかない」こともあれば「本人だけが気にしている」こともあり、自身では判断の難しい所も多いです。もし、第三者から指摘を受けたり、自身で心当たりがある場合、口腔内にその原因がある可能性は高いと言えます。気になる場合は歯科にてその原因を除去することで改善できることがあります。(ただしニンニクやネギ・ニラなどの食物による口臭や、お酒を飲んだ後のアルコール臭など、一時的な呼気臭は一般的に「口臭」には含めません。)

※1)口臭の大部分(80%以上)は口腔内の気体由来であり、その主要原因物質は揮発性硫黄化合物(VSC:Volatile Sulfur Compounds)である硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン(CH3SH)、ジメチルサルファイド[(CH3)2S]です。その中でも硫化水素とメチルメルカプタンで約90%占めます。これら揮発性硫黄化合物は、口の内に生息している嫌気性菌が唾液・血液・剥離上皮細胞・食物残渣中の含硫アミノ酸を分解・腐敗することで産生されます。

口臭の原因

では口臭の原因とは一体何なのでしょうか。「胃が悪いとお口が臭くなる」、「朝は特に匂いが強い」、「歯周病や大きな虫歯などがあると口臭がする」などは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。特にお口の中に問題がある場合は、口臭に繋がるイメージがしやすいと思います。また、これは知らない方も多いと思われる原因として、糖尿病や腎不全症などの全身疾患があると特有の臭いが感じられることがあります。しかし、全身にもお口の中にも問題がない健康な人でも口臭を感じた事はありませんか?。朝起きたときや疲れているときに口臭を発している場合があります。このように原因疾患を認めないけれど、明らかな口臭を認めるものを生理的口臭と呼んでいます。生理的口臭の要因は明確にはされていませんが、主な原因の1つが舌苔(ぜったい)といわれています。(※2)

※1)口臭の原因はほとんどが口腔内にあると考えられている。中でも舌苔や歯周疾患との関連が最も影響があると考えられているが、官能試験値別に口腔内環境因子の値を比較 した結果から生理的口臭と舌苔との関連が明らかとなった。

舌苔とは?

「舌の表面についている白い苔(こけ)状のもの」で細菌や微生物の集合体です。舌のプラーク(歯垢)といわれることもあります。

舌苔は取った方がいいの?

舌苔を取り除く事は口臭を抑えるのに有効な手段です。(※3)舌を湿らせた状態にしてから、舌ブラシや歯ブラシを軽くあて、舌の根っこの方から前に引き舌苔を浮き上がらせ、うがいをしてお口の外に出します。その際のポイントはとしては舌を優しくこすることです。強くこすると舌が赤くなったり、ヒリヒリしたりすることがあるので注意してください。
また、介護の現場では口腔ケアの際に舌を清掃することが誤嚥性肺炎の予防にもつながります。お口の中の細菌が誤嚥性肺炎の原因になっているため、歯垢と同じように細菌の塊である舌苔を取り除くことが大事なのです。さらに介護の現場ではきれいにする目的以外に味覚や機能回復などリハビリテーションの意味合いもあります。(※4)

正常な舌

舌苔の着いた舌

※3)健康な歯肉や軽度歯周炎程度で舌苔の認められる者では,舌清掃を行うことはプラークコントロールよりも口臭の抑制に有効な手段であると結論づけられた。

※4)口腔内の微生物が呼吸器系疾患の原因になりうることが指摘されており、専門的な口腔ケアにより誤嚥性肺炎によると思われる発熱が減少することも知られている。要介護高齢者においては口腔ケアの一環として行うことは有用であると思われる。

舌苔とは似て非なる舌の病気

しかし舌には、舌苔と勘違いしてしまうような病気があるので注意が必要です。

左の「口腔カンジダ」の写真はカンジダというカビが付着しています。舌苔とは違いますが、口腔ケアを行う必要があります。

また、右の「地図状舌という写真」は地図状舌(ちずじょうぜつ)と呼ばれるもので口腔粘膜疾患の一つです。白く見えますが舌苔ではありません。こすると痛みが出ることもあります。

いずれも舌苔と勘違いされやすい病気ですが、それぞれ違った舌の病気です。舌苔だと思い歯ブラシなどでこすってしまうと炎症を起こしてしまうこともありますので、注意が必要です。

口腔カンジダ

地図状舌

口臭や舌苔で悩んだら

口臭というのは、コンプレックスのためなかなか他の方に相談しづらいことだと思います。その原因の多くが口腔内にあるとわかっても、歯科医師・歯科衛生士にも気軽に相談出来る内容ではないかもしれません。しかし、歯科医院は口臭を含めて様々なコンプレックスを治療する場であることを思い出してください。人に見せるのも恥ずかしいほどボロボロになってしまった歯を治療することもあれば、出っ歯や叢生(ガタガタの歯並び)など、見た目のコンプレックスを治療するのも歯科医院です。口臭があるからといって恥ずかしがる必要はまったくないのです。また、舌苔にしてもそれが舌苔なのか他の病気なのか、写真と自分の舌を見比べたところで判断できないかもしれません。

舌苔かどうか判断をする、もしくはどのように手入れをするのか知りたいときは歯医者さんで聞きましょう。「こんなこと聞くために歯科に行ってもいいの?」と悩まれるかもしれませんが、お口の悩みは歯医者に相談が基本です。そのためにはまず何でも気軽に相談できる歯科を作って下さい。そこから予防という概念も含めて定期的に歯科に通うようになれば、なんでも相談できるばかりか、多くのお口の悩みを未然に防ぐこともできるようになります。

この記事の編集・責任者は歯科医師の奥田 菜実です。

「歯がしみる」知覚過敏とむし歯の違い

むし歯?知覚過敏?歯がしみる原因

歯がしみたら?

冷たいものを飲んだりしたら歯がしみる経験のある人は多いのではないでしょうか。皆さんがよく思い浮かぶ原因としては、虫歯ではないでしょうか。確かに、一般的な歯がしみる原因としては虫歯が多いですが、実はむし歯以外にも歯がしみる原因があります。それは象牙質知覚過敏症、よくいう「知覚過敏」というもの。

象牙質知覚過敏症とは?

これは、例えば歯ブラシの圧が強く歯の根がすり減ったり、歯周病などで歯ぐきが下がり歯根が露出することで起こる歯のトラブルです。時には、甘いものを食べたりすることでしみたり、歯ぎしりや食いしばりでもしみたりすることがあります。歯がピリッとしみると「むし歯かな?」と焦った経験がある方もおられるのではないでしょうか?では、そもそもなぜ虫歯で歯に穴が開いたりしているわけではないのに歯がしみたりするのでしょうか。それには、歯や歯の周りの組織の知識を知っておく必要があります。

象牙質知覚過敏の原因を知るには、歯の構造を理解する必要があります。歯は図1に示すように、歯冠部と歯根部に分かれます。健康な天然歯には必ず歯髄と呼ばれる神経があります。この神経を守るかのように象牙質やエナメル質といった硬い組織が覆っています。この硬い組織が何らかの原因で欠けたり(下図)、歯肉が下がりセメント質というしみやすい組織が露出してしまうことで「しみる」や「痛む」という感覚を覚えます。これが象牙質知覚過敏症の原因です。

歯がしみる原因別の治療法は?

①歯ブラシの仕方

みなさんがいつも使っている歯ブラシの毛先ですが、過度に力を入れて歯に当てると削れていってしまいます。適切な力で、ブラシを扱うことにより予防できます。すでに削れてしまっている場合は、削れてしまった部分を詰めて対応する場合もあります。軽度の症状であれば、知覚過敏用の歯磨き粉を併用することで改善することもあります。

②歯ぎしりや食いしばり

成人の方の多くは、就寝時に無意識の食いしばりを行い、歯や周りの歯周組織に力のダメージを与えてしまっています。残念ながら、今の医療では歯ぎしりや食いしばりなどを根本的になくす治療はありません。ですが、歯と歯が接触し起こるそういった力のダメージを緩和する方法があります。それがナイトガードと言われるマウスピースです。歯ぎしり対策のマウスピースは保険が適応となります。

③プラーク むし歯

むし歯の原因は、一般的には「細菌」によるものです。このむし歯の菌が酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことにより「むし歯」とよばれる状態になるわけです。そして、そのむし歯が酸を作り出すための栄養源しているのが、お口の中の「糖質」にあたります。 では、甘いものを食べた後にしっかりと歯を磨けばむし歯にならないかというとそうではありません。むし歯の菌は往々にして歯と歯の間や、歯の複雑な溝の中を住処としており、これらをすべて歯磨きだけで取り除く事は一般的には困難とされています。 これが誰もが一生のうちに一度はむし歯を患うと言われる理由です。

虫歯になったら?

虫歯にも進行に合わせ段階がありますが、対応としては残念ながら現在の歯科治療において、「削らずに経過観察」「削って詰める・被せる」「抜いて欠損補綴」の大きく3つに絞られてしまうのが現状です。現在むし歯治療における最も有効な手段としては、むし歯にならないように「予防する」ことが挙げられます。歯磨きは、自身で予防するためには不可欠なケア方法です。
ですから

  1. 食後にはしっかり歯を磨く
  2. 甘いものの食べすぎないようにする
  3. プロケア(歯科医院によるケア)を受ける

の3つのケアで、しっかり予防していきましょう。
もちろん治療後も定期的な検診を受け早期発見・早期治療が受けられる環境に身を置いておくことも大事になります。

※)参考文献

この記事の編集・責任者は歯科医師の村田陽太郎です。

口内炎ができる原因と対処法

口の中のできものはどう対処したらいいの?

口内炎ができる原因

口内炎は、口腔内の粘膜に起こる炎症の総称です。つらい痛みを感じたり、食物や飲み物の摂取時にしみたり、プックリできた白い小さな腫れ物に、不快感やストレスを感じて、嫌な思いをした方も多いのではないでしょうか?

それではこの口内炎、どんなときにでるのでしょうか?それは概ね以下のようなことから起因することが多くあります。

  • 疲労やストレス
  • 睡眠不足
  • 栄養不足
  • 免疫力低下
  • 細菌やウイルスなどの感染症
  • 外傷や熱傷による刺激

小さいくせに痛くて不快なこの口内炎、通常2週間程度で自然治癒することが多いのであまり気にする必要はありません。ただし、他の病気の一症状として口内炎が起こることや、白板症や紅板症(※1)といったがん化する口内炎と似た口腔粘膜症もあるため「口内炎ができる前後から体調が悪い」「口内炎がなかなか治らない」という場合は注意が必要です。

口内炎ができる場所

危険な口腔粘膜疾患

白板症(はくばんしょう)

粘膜や歯茎の一部が白くなり、食べ物がしみる、歯ブラシが当たると痛いなどの症状が出ます。口内炎と間違えることが多いですが白斑症は2週間で治らず、その範囲を広げながら厚く盛り上がり、びらんやしこりが見られることがあります。がん化する事があるため組織検査や切除を行う場合があります。

紅板症(こうばんしょう)

粘膜や歯茎の一部が鮮紅色になり、周囲と明らかに色が変わっていき、食べ物や飲み物、歯ブラシなどで刺激を感じるようになります。50%ががん化もしくはガンに変異している可能性があります。この病気は80%以上が50歳以上の方が罹患していますがそれ以下でも発生することがあります。がん化の可能性が高いため切除していきます。

※1)白板症(はくばんしょう)・紅板症(こうばんしょう)

口内炎と口腔ガン(舌癌)との違い

1.頬の内側の口内炎

2.舌の縁の口内炎

3.口内炎とは違う舌の癌

2と3は同じような場所にできていますが、一方は口内炎(2)、もう一方(3)は口腔ガン(舌癌)です。最近では芸能人の方もこの口腔ガン(舌癌)に罹患し、口腔内の出来物を、不安で歯科にかかる人が一気に増えました。もちろんその判断は間違いではありません。2週間以上治らない口内炎は、歯科で診てもらうことが大切です。
口腔ガンの検査は、歯科診療所では行っていない場合がほとんどです。しかし、大学病院等検査が可能な特定機能病院に行くには一般歯科からの紹介状がなければ選定療養費(5,000円)が加算されてしまいます。また、一般歯科にかかれば、検査の必要があるものなのかどうか判断する事が可能です。朗らかに口内炎である場合は、経過観察することで特定機能病院に行く必要がなくなります。ですからまずは一般歯科を受診するのが適切な選択となります。

口内炎の主な種類

名前 原因 症状 対処法
アフタ性口内炎 原因ははっきりしていないが、疲れやストレスに起因すると言われています。 見た目は白い円状の腫れができその周囲が赤く腫れた状態になる。食べ物や飲み物がしみる症状が出ます。 1〜2週間で自然治癒します。ステロイド性の軟膏を使用すると早期治癒することがあります。
カタル性口内炎 歯の被せ物が合っていなかったり、お口の中を噛んでしまったりして粘膜が傷ついてしまった時に細菌の繁殖や刺激などで起こります。 口の粘膜に水疱ができ、口の粘膜に赤く境界不明瞭な腫脹ができます。 抗生物質を含んだ口腔用の軟膏、殺菌錠やトローチなどを使用します。歯の詰め物や入れ歯、歯列矯正の器具が合っていないと感じる場合は歯科医院を受診しましょう。
ウイルス・細菌性口内炎 ウイルスが原因で起こる口内炎です。単純ヘルペスウイルスによるヘルペス性口内炎、性感染症(梅毒、淋病、クラミジアなど)が原因となる口内炎、カビの一種であるカンジダ菌がによるカンジダ性口内炎などがあります。 多くのウイルス・細菌性口内炎は多発性に小水疱が形成され破れてびらんが出来ることが多いです。 抗ウイルス薬や抗真菌薬による治療が必要な場合があります。局所的にはうがい薬やトローチで口腔内を清潔に保ちます。
アレルギー性口内炎 お口の中の金属の詰め物や、食品・薬などを摂取した際、アレルギー反応を引き起こし口の中の粘膜に炎症が起きて起こります。 見た目は白い円状の腫れができその周囲が赤く腫れた状態になる。食べ物や飲み物がしみる症状が出る。 アレルゲンとなる物質の特定をするため、医療機関にてパッチテストを行うことです。金属アレルギーの場合は歯科治療で行なった金属の詰め物などをアレルギーフリーの素材に変更が必要になります。
ニコチン性口内炎 喫煙の習慣がある方に起こります。 口の粘膜や舌に白斑が出来てきます。ピリピリした刺激があることがあります。 予防や治療にはたばこの本数を減らす必要があります。頻繁にできる場合は医療機関の受診が必要です。

口腔外科の疾患と治療 第5版参照

口内炎の治療法

口内炎の治療法は原因によって異なります。ただし、どのような口内炎の場合も口腔内が清潔でなければ治癒が悪くなります。主な治療方法は下記になります。

口腔内の清潔維持
歯垢や歯石を除去るすことで口腔内の細菌数をコントロールします。
薬物療法
抗菌薬やうがい薬など菌の数を減らすお薬や、炎症を抑えるステロイド製剤の塗り薬や歯科用貼付剤、クリーム剤など、症状や状況に応じて処方されます。
レーザー治療
口内炎をレーザーで焼いて殺菌します。
原因因子の除去
歯が当たるなどの慢性的な刺激が有る場合、歯科治療によってその原因を除去します。

もっとも多い口内炎はアフタ性口内炎ですが、多くの場合1〜2週間で自然回復します。慌てる必要はありませんが、逆に2週間経っても治らない場合は、別の病気の可能性があります。その際はすぐに歯科を受診しましょう。

口内炎の対処法

口内炎が出来てしまった場合、まずは経過を見ることが第一の選択肢となります。もっとも多い口内炎はアフタ性口内炎です。その場合1〜2週間で自然回復します。栄養と休息をとりながら口内炎の回復を待つことが大切になります。。ただし、前述したように2週間以上回復の兆しが見られない場合や、広範囲に広がる場合、熱を伴う場合、痛みが強い場合などは歯科を受診を推奨します。

口内炎の予防方法

口内炎は全身状況に起因して起こる事が多い疾患です。

  • 栄養バランスを取る
  • 免疫力の向上
  • 口腔乾燥予防
  • 口腔内を清潔に保つ
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体調を整え、口腔内を清潔に保つことで口内炎のリスクは下げることが出来ます。出来てしまえばしばらく痛い口内炎、出来にくくする努力をしましょう。また、出来てしまったらむやみに触らず、経過を見て、治らない場合は歯科医院に相談しにいきましょう。

この記事の編集・責任者は歯科医師の福田 さつきです。

歯周病による歯の動揺、歯を抜く基準と残す方法

グラグラしている歯は抜くしか無いの?

歯周病とは?

歯と歯茎の間に、歯周病の細菌が侵入することで発症する、人類史上最も感染者数の多い感染症といわれています。詳しくは、歯周病治療のページをご覧ください。
長きにわたって歯周病の細菌を取り除かないままでいると、歯周病はどんどん進行していきます。歯周病の症状は徐々に現れ、気がつけば歯を抜かなければならない状態になってしまいます。そして歯を「抜く」「抜かない」の1つの基準が『歯の揺れ』となります。

なぜ歯が揺れると危険なのか?

歯というものは、歯冠と呼ばれる見えている頭の部分と、歯茎の中に隠れている歯根と呼ばれる部分に上下に2分割されます。歯の半分以上が歯根であり、歯根のみが骨に埋まっています。図のように、歯周病が進行すると、歯根の周囲の骨が溶けていき、歯の支えが無くなることで、歯がぐらぐらと揺れます。最後には自然に歯が抜け落ちることもあります。

そのため、歯の揺れというのは、歯自身の寿命を知らせるサインでもあり、抜歯の基準の一つとなり得るのです。

そして骨は一度溶けてしまうと基本的に元に戻ることはありません。そのため、歯周病治療は骨が溶けないうちに行う予防治療もとても大事なのです。

揺れた歯は抜くしかないの?

重要ではありますが、あくまで基準の1つですので、揺れている=抜歯ではありません。抜いた歯は戻すことはできないため、その判断は特に慎重になります。
ご年齢、お身体の状態、飲まれているお薬の内容、社会的環境、残っている歯の状態など、考慮すべきことは多くあります。事実、各学会から多くの論文こそ発表されておりますが、抜歯に際しての判断材料のみが記載されており、この場合は必ず抜きなさいと明記されている内容はありません。

ただし、抜くべき歯を無理に残そうとすることで、食事が摂りにくかったり余分に治療期間がかかったりなどと良くない点もあります。ですから、かかりつけの歯科医師としっかり相談して、一つ一つの歯との付き合い方を、判断材料と共に検討することが大切になってきます(※1)。

※1)当該歯の抜歯の判断をするための評価項目

  1. 歯に関する要因
    • 50%を越える支持骨の喪失
    • 根尖に及ぶアタッチメントロス(あるいは深い PPD)
    • 過度の動揺
    • 進行した根分岐部病変
    • 繰り返す急性炎症
    • 部位
    • 隣接歯(近接,動揺等)
  2. 一口腔単位での要因
    • 重度の歯周炎(感染リスク高)
    • 残存歯数
    • 補綴修復の有無,あるいは設計
  3. 患者に関する要因
    • 喫煙
    • ブラキシズム
    • 全身疾患
    • プラークコントロール
    • コンプライアンス
  4. 術者に関する要因
    • スキル
    • 専門分野

条件が組合わさったうえで抜歯の判断が行われる.

※1-2)歯周病罹患歯の抜歯基準

歯周治療初期における抜歯の判断基準
  1. 対症療法を行っても,過度の動揺により痛くて噛めない結果,回避性咀嚼を行ってしまう場合
  2. 十分なデブライドメントができない,あるいは暫間固定ができないほど進行した歯周炎
  3. 治療中頻繁に急性膿瘍が生じ,広範囲の歯周組織破壊の原因となる可能性がある場合
  4. どのような治療計画を立案したときにも,利用価値が見出せない場合
暫間的に保存し,歯周治療後期に抜歯を行うための判断基準
  1. 臼歯部の咬合高径を維持している場合 →プロビジョナルレストレーションによって置き換えられた後に抜歯
  2. 臼歯部の咬合高径を維持しており,かつ隣接領域にインプラントを埋入した後も機能している場合 →インプラントの上部構造が装着された後に抜歯
  3. 隣接領域の歯周外科を予定している場合 →予後不良歯は,隣在歯の歯周外科治療と同時に抜歯

揺れた歯を残す方法

歯が揺れる原因の多くは、歯周病の細菌によるものですので、それを取り除くことが必要です。歯垢(プラーク)歯石の除去をすることで、進行の浅い歯周病は止めることができます。また、咬み合わせが原因で歯が揺れる、咬合性外傷という状態もあります。咬み合わせの修正により改善が見込める場合や、一時的に接着剤で隣の歯と固定することで揺れを止める場合などもあります。

また、進行が進んだ歯周病であっても、必ず抜歯が必要になるわけではありません。症例1は、明石アップル歯科にて2010年(初診)〜2018年(写真)までの予防治療を続けられた患者様の症例です。一時は抜歯しかないと検討した歯も抜けることなく機能しています。

症例1(動揺した状態から抜歯なしで延命した例)

Before

After

治療内容早期進行型の歯周病。スケーリングとルートプレーニングによる歯周病治療からSTPⅡ(歯周病安定期治療)に移行し、歯周病の検査・管理を行った。
期間初診から9年間、45回の通院
費用およそ47,600円(9年で合計45回の通院)
内訳:プラークコントロール・機械的歯面清掃・スケーリング・スケーリング・ルートプレーニング・咬合調整など
※当初は医療費助成制度により600円/日
リスクスケーリングやスケーリング・ルートプレーニング後は歯がしみる場合があります。

もちろん、すべての方が症例1のように予防治療を続けたからと言って歯を残せるわけではありません。それでも、症例1の患者様は予防治療を続けておられなければ、おそらく多くの歯を失っていたことが予測されます。単純な話ですが「歯科に定期的に通う」ということは、揺れた歯を残すためのみならず、様々な歯科疾患から歯を守るための有用な手段であることは間違いありません。大切な歯を守るために、歯科に定期的に通う習慣を身に付けましょう。

この記事の編集・責任者は歯科医師の林 大智です。

親知らずの抜歯と治療後の腫れ

親知らずは抜いた方がいい?腫れや痛みは?

親知らずが生えてきたら

10代後半から生えてくる一番奥の歯を親知らずと言います。日本人の場合約8割り程度の方の口腔内に存在しています(※表1)。別名「第3大臼歯」「智歯」とも言われますが、乳歯の生え変わりの時期から遅れて生えてくるため、親も知らない間にはえるため「親知らず」と呼ばれています。 この親知らず、日本人は顎が小さいために親知らずが生えるスペースも足りないことが多く、普通の生え方をしないことや一番奥にあることから、汚れやすく磨きにくい歯と言われています。「磨きにくい」といことは、即ちむし歯や歯周病にもなりやすく、様々なトラブルを引き起こしてしまうため、抜歯が望ましいケースが出てきます。

表1 智歯の存在率 智歯の萌出率 智歯の埋伏率
上顎79% 下顎85% 上顎75% 下顎76% 上顎6% 下顎10%
上顎74% 下顎82% 上顎68% 下顎77% 上顎6% 下顎9%

※表1)歯の出現,発育,萠出の時期と頻度について

親知らずが起こすトラブル

前述したとおり、親知らずは歯ブラシが届きにくいため歯茎との隙間や隣の歯との間に歯垢や汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病(智歯周囲炎)を引き起こし、腫れや痛みの原因となります。 また症状が悪化した際、顎や首周りまで炎症が広がりやすい位置にあるため、発熱・倦怠感・腫れなどを伴う蜂窩織炎(ほうかしきえん)という恐ろしい細菌感染症へと発展する場合があり、場合によっては入院治療が必要となることもあります。このようなトラブルを防ぐため、親知らずは悪くなくても抜いてしまったほうが良い場合があります。

抜歯を必要とする場合

親知らずの一部のみが歯ぐきから出ている方、斜めに生えている方で虫歯・歯周病のリスクが高い場合、抜歯が望ましいです。また症状がなくとも第2大臼歯(親知らずの手前の歯)など、周りの歯を健康的に残したいと考えた上で、親知らずが悪影響を及ぼす可能性がるのであれば、健康な歯が害される前に抜歯をしておいた方が良いでしょう。ただし、同じ親知らずでも人によっては抜歯をしない方が良い場合の方もおられます。親知らずを抜く・抜かないはかかりつけの歯科医師に相談して決めることをお勧めします。

また、矯正治療をされる場合、親知らずを置いておくと歯並びを整える邪魔をしたり、せっかく並んだ歯がまた戻ってしまう「後戻り」の原因となるため抜歯しておいた方が望ましいことが多くあります。

親知らずの抜歯方法

外来手術で抜歯を行います。一般歯科で抜歯可能は親知らずの抜歯は入院の必要はありません。

一部のみが生えている場合、傾いて生えている場合は局所麻酔後に歯ぐきを切って、必要な部分は骨を削り、さらに歯を分割して摘出していきます。
親知らずが深くに埋まっている場合や抜歯に伴う麻痺などのリスクが高い方、多数の親知らずを同時に抜歯しなければならない方などは、大学病院に抜歯依頼を行います。場合によっては全身麻酔下で手術を行う場合もあります。 大学病院で抜歯を行う場合は、入院が必要な場合もあります。

1.麻酔下で、歯肉を開きます。

2.歯冠(歯の上の方)と根を分割します。

3.歯冠部分のみ先に除去します。

4.残りの根の部分を除去します。

5.炎症の元となる組織を掻き出し、縫合します。

治療後の腫れについて

抜歯手術は身体への負担が大きいほど、腫れや痛みが強くなります。つまり、親知らずを抜くために歯ぐきを切開する範囲が大きいほど、あるいは顎の骨を削る量が多いほど、治療後の腫れ痛みの症状も重くなります。 親知らずが大きい、頭や根のかたちが複雑、埋まっている位置が深い、抜きにくい方向に倒れている、などの場合は身体への負担が大きくなりやすいです。
手術時は、局所麻酔により痛みを感じないことが多いですが、麻酔が切れた頃から徐々に痛みが出始めますので、処方されたお薬を使うことで対処しましょう。ただしお薬が合わない場合は即座に使用を中止し、医師又は歯科医師に相談しましょう。

腫れや痛みが強いときは患部及び周辺を冷やすと治まることがありますが、冷やし過ぎは禁物です。顔・頬・顎など周囲を含めて全体的に冷やすことを心がけて下さい。

治療後の腫れや痛みはいつまで続く?

親知らずの抜歯の後は多くの場合において腫れると言っていいでしょう。もし腫れなかったら「ラッキー」だと思って下さい。腫れのピークは2〜3日後となります。その後、徐々に腫れが引いていき、7〜10日かけて引いてきます。
侵襲(体を傷つけた大きさ)が大きい場合は長引くこともあります。

一方、痛みのピークは当日・翌日と、腫れよりも早めに現れます。こちらもピークを過ぎると徐々に痛みが予約なり、おおよそ7日程度で引いていきます。痛みがある内は処方された鎮痛剤で対応します。用法・用量を守ってお使い下さい。

まれに抜歯後治癒不全、ドライソケットと言ってなかなか痛みが引かない偶発性が生じることがあります。「おかしいな」と思ったら迷わず歯科医師に相談しましょう。

親知らず、抜歯するなら費用は?

一般歯科での親知らずの抜歯は、ほとんどの場合医療保険が適用されます。そのため、抜歯にかかる費用は3割負担の方で1歯3,000円程度になることが多いです。難抜歯の場合は5,000円程度になることもあります。

ただし、それとは別に初診療が3,000円、抜糸の費用が数百円程度必要となります。

親知らずの抜歯は、初診で抜歯術を行うことはあまりありません。初診では検査をして親知らずの位置や生え方を確認し、抜歯後の感染予防のため口腔内のクリーニングを行ないます。その後、歯科医師が術式を検討した上で後日抜歯となります。ですから、親知らず1本の抜歯に必要な通院日数は短い場合で1.初診・検査・クリーニング、2.抜歯、3.抜糸・経過チェックの3回となります。複数抜歯が必要な場合、右側の上下顎、左側の上下顎であれば同日に抜歯を行うこともありますが、左右1本ずつなど、対角の抜歯は行っておりません。対角の親知らずを抜歯すると食事や咀嚼に影響がでるためです。

親知らず抜歯時の医院選びの注意点

親知らずの抜歯は、歯科医師の経験・知識はもちろん重要ですが、何より重要なのことはしっかりと検査することです。というのも下顎の親知らずの付近には「下顎管」という大きな神経が通っています。そのため、親知らず生え方や場所によってはその神経を傷つけてしまう可能性があります。神経が傷つくと麻痺が残り、日常生活に支障をきたすこともあります。麻痺はおよそ3週間から数ヶ月でなくなることがほとんどですが、中には数年間麻痺が残る方もおられるようです。
また、上あごには上顎洞といって、頬の裏側に骨の空洞があります。抜歯時に歯や骨のかけらがその穴に入りこんだり、穿孔する場合があります。

これらのリスクを避けるためには、CTによる術前検査を行うことが適切です。世の中にはCTが無い歯科医院も多い(※2)ですが、親知らずの抜歯の場合はCTのある歯科を受診するなど、偶発症に備えて予防策を検討した方が良いかもしれません。

主な歯科X線撮影 歯科用 CBCT 普及率約10%

この記事の編集・責任者は歯科医師の村田陽太郎です。

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