歯並びや将来的に丈夫な歯になるかどうかは、お子様の時期の歯の手入れや治療、予防によって決まってきます。 ですから加古川アップル歯科では「仲良し治療」をコンセプトとして、お子様一人ひとりのペースに合わせて治療を行心がけています。 そして、将来的に健康で美しいお口元になれるよう、「予防」に力を入れています。 お子様の治療、予防にとって一番大切なのは親御様のご協力です。お子様の場合、ほとんどが小さい頃は歯磨きを嫌がり、 ある程度大きくなってくると面倒くさくなることが多いです。 ですから、子供の歯(乳歯)の時期にしっかりお口の中を清潔に保ち、将来的に健康な歯を育てられるのは、歯科医院だけでなく親御様のお力が必要となります。 加古川アップル歯科では歯磨き指導と「仲良し治療」で、歯磨きや歯医者さんが嫌にならないようお手伝いさせていただきますので、親御様のみなさんもお子様の歯を一緒に守り、育てていきましょう。
治療を経験しているお子様のうち1~2割は歯科に対して強い恐怖心を持ち、少なくとも5割前後は歯科に対しあまり良い感情を持っていないという報告があります(文献:日本歯科大学新潟歯学部附属病院小児歯科診療室における抑制治療の実態について:小児歯科学雑誌1997年35巻5号907-913:鈴木広幸ら)。また、過去の歯科治療時の苦痛体験が青年期以降の歯科治療に対する恐怖心の形成に影響しています(文献:幼少期の歯科治療体験が現在の歯科恐怖に及ぼす影響:小児歯科学雑誌2000年38巻第4号865-870:河合利方ら)。そのため、お子様に恐怖心を植えつけない「仲良し治療」を推奨しています。
乳歯について
赤ちゃんのいちばん最初の歯(乳歯)が頭を出すのは生後6ヶ月ごろからで、一般的には下の歯から生え始めます。そしておよそ2歳くらいまでに上下あわせて20本生えそろいます。
乳歯を使う期間はこの頃から12歳ぐらいまと約10年前後と短い、その間に乳歯が果たす役割は重要です。「食べ物を噛む」という歯の本来の役割はもちろんですが、実は「永久歯が正しく生えるための案内役」という大役を担っているのです。
乳歯どうせ抜けるからと、虫歯を放置したりお口の中を不潔にしていると大変な事になります。乳歯を健康に保つことが、お子様が今後一生使うであろう永久歯を丈夫で長持ちするために、とても重要なことなのです。
乳歯および永久歯が早期に抜く・抜けることなく、すべて永久歯に置き換わった際に、小臼歯部および第一大臼歯の歯並びのがたつきはほとんどなかった(文献:叢生歯列の発現時期と発現部位に関する研究:小児歯科学雑誌1995年第33巻2号265:杉浦三香ら)という報告があります。明らかに骨格に異常がある場合はその限りではありませんし、前歯・第二第三大臼歯については明言しておりませんが、小児後期で咀嚼に重要となる第一大臼歯(文献:小児における咀嚼時の主機能部位の変化:小児歯科学雑誌:2003年第41巻1号252-258:中田志保ら)の位置が決定されることはその後の食人生において有利に働くことでしょう。
赤ちゃん(生後6ヶ月~1歳半頃)のお口のケア
赤ちゃんは生後半年前後になると、前歯が生え始めます。(中には生後間もなく生えている子もいます)はえてきた歯のお手入れは、赤ちゃんが嫌がるためにお母さんやお父さんの頭を悩ますことも多いようです。 ですから生え始めのこの頃は歯を磨くことよりも、お口を開けたり歯ブラシの感触になれることを目指して、遊び感覚でお口のケアを始めましょう。 お子様本人にも乳児用の歯ブラシを持たせり、食後に歯みがきタイムを作ることで、お子様に歯磨きの習慣を覚えされる事が大切です。 汚れに関しては、ぬるま湯で湿らせたガーゼや清潔な布などで、お子様が嫌がらないようにさっとふき取ってあげて下さい。
お口の中を清潔に保ちましょう
この頃から1日最低2回の歯磨きを心がけて下さい。最後はお母さん(お父さん)が仕上げ磨きをしてあげましょう。 むし歯は寝ている間に作られることが多いので、夕食後の仕上げ歯磨きは念入りに磨いてあげましょう。
食事(離乳食)のときのご注意
むし歯や歯周病菌は感染するものです。お母さんやお父さんの口から、赤ちゃんの口にスプーンなどを介してむし歯菌や歯周病菌が移り、お口の中が不衛生になったりむし歯になることがあります。
お母さんやお父さんが口にしたスプーンやフォーク、お箸を使わずに、お子様専用のものをご用意する事と、大人が食べかけの物をお子様にあげるのはお子様のお口にとってむし歯のリスクが高くなるので気をつけましょう。
ミュータンス連鎖菌群は乳歯萌出後に口腔内に定着し、家族内感染が多いと報告されています。(文献:乳幼児におけるStreptococcus mutansとStreptococcus sobrinus感染:小児歯科学雑誌:2005年第43巻2号193:牛田永子ら)
飲み物にも注意が必要
乳酸菌飲料や炭酸飲料、スポーツドリンクや100%ジュースにはむし歯が好きな多量の糖分が使用されています。
ですから小さいうちは極力これらの飲料を避けて、水分補給はお水やお茶にすることをおすすめします。この頃のお子様のむし歯発生の原因の大部分は飲み物によることが多くあります。
スポーツドリンクを飲まないお子様に比べて、週3回以上飲むお子様には平均約1.5倍のむし歯があるという研究があります(文献:スポーツドリンクと齲蝕(乳前歯齲蝕の処置法を含め):小児歯科学雑誌1997年第35巻2号372:広島大学)。
フッ素塗布
乳歯は特に歯質が弱く、むし歯に弱いなりやすい時期です。フッ素は歯の再石灰化(歯の表面を修復する力)を促し、歯を溶けにくく、酸を抑制する作用があります。
フッ素塗布に関しては、効果がない・身体に毒であるという説も流れていますが、論文ではその効果は認められています。
(参考:酸性フッ素リン酸溶液の性状とエナメル質の耐酸性の向上に関する検討)
また、中毒性についてですが、もちろんそれはある話です。しかしよく考えてみれば分かる話ですが、水にしても塩にしても中毒性はあります。
摂取量が多ければ身体に異変を来します。フッ素は約20kgのお子様であれば、歯磨き剤のチューブを2本近く飲み干してようやく中毒を起こす量です。
(参考:歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020「フッ化物」)
通常の使用、ましてや歯科医師が用法・容量を守って塗布する分については問題ないと言えます。
お子様の間はこのフッ素を塗布することで、むし歯のリスクを減らす事が特に有効です。小さな頃は特に歯面塗布法という丸めた綿や綿棒や歯ブラシにフッ化物を浸して塗布する方法で行いますので、お子様にとってもストレスの少ない方法です。
どの年齢においても、虫歯の予防の基本歯磨きになります。6歳までに一番気をつけることは、むし歯を防ぎ強い歯に育てる事です。 ですからむし歯に感染していなくても、フッ素入りの歯磨き剤をつけてブラッシングも良いかと思います。 (フッ素については賛否両論ありますが、学問的に既に安全性、有効性が十分確立され、内外の専門機関、専門団体が一致して認め、その利用について推奨しています。 またこの頃になるとむし歯の治療ができるようになりますが、早いお子様ならすでに乳歯から永久歯に生え変わり始め、歯の並び方が複雑になっている場合あるため、隅々まできちんと磨けていない場合があるのでお母さんやお父さんのチェックも欠かせません。 ですからお子様の歯磨きについては、お子様の「自分でできる」という意欲は誉めてあげて「チェックしてあげるね。」と、お母さん(お父さん)が必ず仕上げをしてあげましょう。さらに3~4ヶ月に1度は歯科医院にてチェックをしてもらうことも重要です。
この頃にはほとんどの歯が生えかわり、大人の歯の咬み合わせが出来上がってきます。 逆に、もう歯は生え変わらなくなるので、1本1本の歯を大切にしてけるよう、お子様にもお声がけをして下さい。 歯と顎骨の大きさの不調和がある際に、歯周疾患の発病に関与すると指摘されています (文献:中学校生徒におけるDiscrepancyと歯科疾患:小児歯科学雑誌1986年第24巻2号304-310:高木興氏ら)。 また、咬み合わせによりお口の健康や清潔性に関わりますので、気になることは歯科医院へ定期検診等と一緒に咬み合わせを見てもらいましょう。
この頃には自分でしっかりブラッシングできるようになりましょう。お母さんやお父さんはお子様がしっかり歯磨きをしてるか、見守ってあげて下さい。 食事は1日きちんと3度摂るようにし、おやつは1回、そのあとはしっかり歯磨きするように、習慣化してしまいましょう。 永久歯になるとむし歯になれば削るしかなく、削った部分は二度と戻ってはきません。むし歯で歯を削ることのないように、しっかり予防とチェック、そしてセルフメインテナンスを行っていきましょう。 お口の健康は、これからのお子様のHappy Lifeにつながります。
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