お子様の歯の治療についてよくある質問
- Q.妊娠中のレントゲン写真は胎児に影響ありますか?
- A.ほとんど影響はありません。日本で1年間生活しているだけで自然に2.4mSvの放射線を浴びていますが、それは歯科で使用する小さなX線写真(デンタルエックス線写真)を約160枚撮影する量に匹敵します(※1)。また、お腹からも離れていますし、防護エプロンも着用していますので、被曝料は軽減されます。過度に心配される必要はありませんが、撮影は必要最低限に留めるに越したことはないでしょう。
※1)自然放射線と人工放射線量
- Q.歯医者には何歳から通えば良いですか?
- A.小児歯科はお子様が産まれる前から始まっています。どういうことかといいますと、産まれたばかりのお子様の口腔内には細菌が存在しません。無菌状態で誕生します(※2)
虫歯や歯周病の菌がどこから入ってくるのかというと、近親者(特にご両親)の唾液から受け継ぐことが多いです。「家族内感染」と歯科界では呼びますが、菌が受け継ぐ経路を断つこと、お子様と接する機会のある方がしっかりと口腔内が清潔に保たれていることが小児歯科の始まりと言えます。
お子様自身の通うタイミングについてですが、1歳ごろが良いでしょう。
歯の生え始めは生後半年頃で、下の前歯から生えてきますが、自分の唾液でキレイになりやすいです。次に生えてくるのは上の前歯ですが、唾液に触れにくいため、虫歯になりやすいです。その上の前歯が生えてくるのが1歳ごろだからです。
歯が生えると細菌が急激に口腔内に定着しやすくなりますので、仕上げ磨きの指導・フッ素の塗布を行い、永く健康なお口を維持するお手伝いを始めていきます。
※2)無菌状態である胎児の口腔が,出産中または出産後,母体および外界の種々のものから汚染され,やがて口腔内の常在細菌叢が形成されることは,いくつかの文献から推定されているところである。Kneise2), Witkowski3), Kallay4)は新生児の口腔に出産直後すでに母体の腟の細菌叢と一致する菌群を発見したと報告しているが,他方Lewkowicz5), Brailovsky-Lounkevitch6),Kos-tecka7)は出産後暫くは,薪生児の口腔は無菌であり,数時間か ら10数時間経つと始めて細菌が出現すると報告している。
- Q.歯磨き粉はいつから使ったら良いの?
- A.歯磨き粉は歯が生え始めた時からお使いいただけますが、歯磨きし始めの時期からいきなり歯磨き粉の使用は難しいでしょう。歯磨き自体にお口が慣れてきた頃、そして上手にうがいが出来るようになってから、つまり1歳半~2歳ごろでのデビューが妥当と考えられます。
仕上げ磨きは小学校4年生(10歳)ごろまで、が望ましいでしょう。歯は生え始めが特に虫歯になりやすいです。一番初めに生えてくる永久歯である第一大臼歯(6歳臼歯)が歯茎からもしっかり頭を出し、上下で噛めるようになるまでは、保護者の方に仕上げ磨きをしてもらうことで、汚れはしっかり取り除くことができます(※3)。
※3)保護者による仕上げ磨きでは,萌出程度の低い第一大臼歯で小児自身の刷掃と比較した場合全ての歯ブラシで高い清掃効果を示し,stage1では手用と振動式,併用の間で,有意差が認められた。
- Q.フッ素っていつから塗ってもらったらいいの?
- A.Q1の回答と重複しますが、1歳ごろからが望ましいです。フッ素の歯への取り込みや虫歯予防の効果については、1945年からWHO(世界保健機関)を通じて推奨され続けています。現在、市販の歯磨き粉には最大1500ppm(フッ素量の単位)のフッ素の配合までが認められています。歯科医院では9000ppmと、6倍高濃度のフッ素が塗布できます。そんなに高濃度のフッ素を一度に使っても大丈夫なの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。実際に、フッ素使用による急性中毒は存在します。体重1kgあたり2mgのフッ素を摂取することで急性中毒は発症しますが、当院で使用するフッ素を塗布した際の口の中に残るフッ素の量は約2mg程度と言われています(※4)。1歳のお子様の体重はおおよそ10kgですので、20mgを丸飲みしないと発症しませんから、まず大丈夫でしょう。
※4)体重1kg当りの口腔残留フッ素量は0.013~0.067mg,平均0.037mgであった。これらの値は最小中毒量と考えられている2mg/kg3の0.7~3.4%,平均1.9%と極めて低いものである。
- Q.歯並びはいつから気にしたほうがいいの?
- A.乳歯が生え揃う3歳ごろからです。ですが、全てのお子様が対象ではありません。遺伝による骨格の問題や癖の問題で大きく噛み合わせが変わっているようであれば対応が必要になってきます。(反対咬合、臼歯部交差咬合、開咬、上顎前突など)
大きな異常はないけれどがたつきが気になるお子様の場合では、9歳ごろからです。大人の歯並びがある程度予測が立ち、矯正の必要があれば骨格・歯並び・癖のあらゆる方向から、正常な噛み合わせへと導く介入を始めていきます。特に当院では、拡大床と呼ばれる、歯列の側方拡大装置を主に使用しています。歯列を横にゆっくり広げることで、骨格を正常に誘導することも、歯と歯の間のスペースを確保することもできます。また、ワイヤーを内蔵させることで、様々な作用を複合させることができます。スタンダードな治療として、多くの研究成果が報告されています。(※5)
※5)混合歯列期の患者に対して上顎の側方拡大を緩徐法で行った時,上 顎の各歯間幅径の変化にどのような影響を及ぼすかを検討することを目的に上顎歯列の拡大を必要とする小児19名(男子9名,女子10名,年齢6~11歳,平均8.6歳)を 対象に調査した結果上顎の側方拡大の影響により,上顎においては乳犬歯間,第一乳臼歯間,第二乳臼歯聞,第一大臼歯間のすべての歯間幅径が増大すること,また,下顎においては乳犬歯間,第一乳臼歯間の歯間幅径には変化を認めないが,第二乳臼歯間,第一大臼歯間の歯間幅径は増大することが示唆された.
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小児歯科に関するQ&A | 公開日: 2020/02/14 | 更新日: 2024/01/09 | by 加古川アップル歯科
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