精密根管治療

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精密根管治療について

むし歯の進行と根の治療

むし歯が進行すると細菌は歯の根の中に侵入し、歯髄(神経と血管の集まり)を侵し、根の先からあごの骨へ広がっていきます。そのため、歯髄に達した虫歯の治療では、感染の広がりをくい止め、大切な歯を抜かないで済むよう、感染した歯髄を取り除いて歯根の内部を消毒し、再び細菌が侵入しないように密封してしまいます。

歯の根は非常に細かく、形も複雑で、治療には細心の注意と労力、時間が必要ですが、歯を救うために欠かせない重要な治療です。根気よく最後まで治療をお受け下さい。

精密根管治療で原因から治す(再発を予防)

保険診療における根管治療の再治療率は45%〜70%(表1)というデータがあります。これは保険を使った治療が悪いというわけではなく、根管の形状は個人で差があり肉眼では見えづらく難しい治療であるためです。しかし、時間や道具の枠組みを取り払うことのできる自由診療の精密根幹治療であれば、歯根に病巣(病的な変化)がなければ90%以上の成功率、病巣があっても約80%の成功率(表2)まで上がったというデータもあります。再発のリスクもより少ないため、何度も歯の根の治療を繰り返したくないという方や、できる限り歯髄を失った歯を長持ちさせたいのであれば、精密根幹治療をご検討ください。カウンセリングにてしっかりご説明いたします。

表1:2005.9~2006.12東京医科歯科大学

[ 根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率 ] より引用

表2Ng YL,Mann V,Rahbaran S,Lewsey J,Gulabivala K. 2007

Outcome of primary root canal treatement systematic review of the literatureより引用

保険診療における根管治療 精密根管治療
回数 10〜15回 3〜5回
歯を削る量 多い (一般的な歯内療法に比べ)少ない
補綴 銀歯 セラミック(白)
費用(治療+補綴) 1万〜1万5,000円
※3割負担の目安(回数による)
5万〜10万円+補綴
※別途税

精密機器を用いた精密根管治療

マイクロスコープを使った治療

精密根管治療の場合マイクロスコープという歯科用顕微鏡を使うことで、小さな根管を見逃すことなく除去することが可能になります。特に歯髄の入っている部分は非常に細く、細い歯髄や歯髄から枝分かれしている管を肉眼では見逃してしまうことがあります。

マイクロスコープを使うことで根管の治療の精度は大幅に上がります。

肉眼での治療では○で囲んだ場所のような根管が見つからない場合があります。

マイクロスコープを使うことでここまで鮮明な視界の中で治療が可能となります。

ラバーダムでの治療

薄いゴムのシートを歯の周りに装着することで、治療する歯のみを隔離できます。唾液などに混ざっている細菌が治療部位に触れないように、根管に入らないように守ることができます。また、細かい器具等の誤飲を防ぐ予防的役割も果たします。

ラバーダムについては1994年の論文で1人の術者が行った再根管治療 612歯をラバーダム使用群(51.1%)と簡易防湿群(48.9%)とに分け 再根管治療終了 6カ月以上経過後に臨床的・X 線的に予後成績を評価した結果ラバーダム使用群は簡易防湿群と比較して有意に予後成績が良好であったと述べています(※1)。

※1)根尖性病変の初期サイズ、ラバーダムの使用、歯根充填技術および歯根充填の根尖レベルは、再治療の結果に統計的に有意な影響を及ぼした。

MTAセメントで歯の神経を守る

MTAによる歯の神経を残す治療

MTAセメントによる歯髄温存とは

むし歯が進行し神経に近づくと、止むを得ず「抜髄」という歯の神経を抜く処置を行う必要があります。神経を失った歯は生活反応を失い、栄養を行き渡らすすべを失うため、歯がもろくなり、寿命が短くなってしまいます。しかし、近年歯科治療の現場で使用可能となったMTAセメントという特殊な材料を使うことで、虫歯が神経に近い状態でも歯の神経を残すことが可能になることがあります。

適応には条件がありますが、MTAセメントが使用可能な場合は歯の神経を抜くことなく生活歯(歯髄がある歯)のまま保存ができます。

MTAセメントは現在のところ保険診療の適用ではありません。しかし、抜髄した後の治療や、抜髄することにより歯の寿命が短くなり抜歯や再治療が必要になることを考えると、神経を残したまま治療ができるMTAセメントは選択肢として考慮すべき治療であると言えます。この治療に適応する可能性がある場合はカウンセリングにてご提案させていただくことが可能です。

MTAは保険が使えない?

前述したとおり、MTAによる歯髄温存療法は、保険適用ができない自由診療となります。

これはMTAセメント自体を保険で使用してはいけないというルールではありません。保険診療にも直接覆髄という治療法が認められています。しかし、MTAセメントという材料は高価な材料のため材料費が治療費を超えることになり、採算が合いません。そのため、保険適用の直接覆髄に関しては別の材料を使わざるを得ないのです。

そしてその場合、高い確率で痛みが出たり、再治療(抜髄)が必要になることがあるため、積極的にお勧めすることが、今の所出来ない状況です。「歯の神経を残したい」という強いご希望があるのでしたら、MTAセメントによる歯髄温存療法をご検討頂ければと思います。

MTAセメントの特徴、メリット・デメリット

MTAセメントを使った治療のメリット

これまでは神経を抜くしかなかったむし歯に対し、少しでも神経を残せる可能性があるということは、患者様にとって大きなメリットが考えられます。

  • 歯の神経を保存するため歯への栄養供給が保たれる
  • 抜髄を回避することによる歯の寿命が短くなることを防ぐ
  • 固まる過程で強アルカリ性を示すため細菌を殺菌する効果があり再感染を防ぐ(※1)
  • わずかに膨張しながら固まるため細菌の侵入感染を防ぎ再感染しにくい(※2)

参考文献※1)

参考文献※2)

従来までの治療方法

むし歯が歯の神経に近くなると、歯の神経を取り除き、歯を大きく削ります。補綴物は保険診療の場合、銀色のものかプラスチックのような素材になります。

MTAセメントによる治療方法

MTAセメントによって神経を生かしたまま保存します。また、自由診療のため補綴物も二次カリエスの可能性が少ないものを選ぶことで再治療のリスクを減らします。

MTAセメントのデメリット

MTAセメントは全ての症状に適応できるわけではありません。また、肉眼での確認が必要なためむし歯を削った上で、適応でなかった場合は抜髄の処置が必要となります。

  • 全ての症状に適応するわけではない
  • 肉眼で確認した結果、歯の生活反応がないと判断した場合は抜髄が必要
  • 自由診療のためコストがかかる

MTAセメントの寿命

MTAセメントで治療をした歯は、生活反応を保ち、健康な天然歯と同じように使用できます。

しかし「何年持つのか」「再発の恐れはないのか」という点においては、臨床で使用されるようになってから統計が取れるほどの年数が足りないため、明確に示すことはできません。

傾向として、MTAをした歯が失活する(生活反応を失う)場合というのは、主に治療後数週間から数ヶ月で起こることが多くあります。その場合は、MTA治療費を考慮した上で、代替の治療を受けて頂くようにはしておりますが、1年後・2年後に突然「失活した」というケースは多くはありません。

ただし、そもそもその歯が抜髄担ったのには理由があり、それがむし歯出会った場合は歯磨きの方法や生活習慣(甘い物の摂取量や不規則な食事)を見直して頂けれなければ、MTAに関係なく再発の恐れはあります。治療した歯を長持ちさせるためにも、定期的なメインテナンスにお越しください。

MTAセメントの費用

種類 説明 料金
MTAセメント
MTAセメントによる歯髄温存療法
露髄部への覆髄や治療、歯髄保護として主に使用する歯科用セメントを利用して、抜髄せずに神経を残す方法
治療期間…1日、治療回数…1回
※別途補綴の治療機関等がかかります。
50,000円(税込55,000円)
※別途補綴の費用がかかります
詰め物30,000円〜50,000円
(税込33,000円〜55,000円)
被せ物70,000円〜130,000円
(税込77,000円〜143,000円)

精密根管治療のQ&A

精密根管治療についてのよくある質問

Q.保険診療と自由診療の根管治療の違いはなんですか?
A.保健の制度内で使用が難しい器具や薬品、材料を使っての治療が自由診療では可能になります。研究が進み新しい薬品や器具などが現場で使用可能になり、より効果の高い治療が進められるとしても、保険診療では承認された治療しか行うことはできません。また、保健診療ではコストの問題などで、時間に関しても制約ができてしまいますが、自由診療であればその壁を取り払うことも可能となります。
Q.ラバーダムって何?本当に必要なの?
A.ラバーダムとは薄いゴムのシートになります。口腔内と歯をゴムのシートを境に別々にすることによって、治療する歯に唾液や汚れが入らないように塞ぐことで、舌や頰の粘膜を傷つけないよう守ると共に、お口の中に治療で用いる薬品や器具が入ってしまうのも防ぎます。精密根幹治療で治療部位をしっかりと除去したとしても、唾液の中にはたくさんの細菌がいるため、混入してしまうと再感染を起こす可能性があります。ラバーダム防湿を行うことで、治療の成果に差が出るという研究結果は多く報告されています。(※1)
Q.治療後は痛みますか?
A.痛みが出ることもあります。感染を除去しても神経が繋がっている部分を除去するため、炎症が残り、痛むことがあります。また、歯の根の神経は脳にまで繋がっています。その神経を除去する場合は繋がっている神経を断ち切るわけですから、残っている部分に当然痛みは残ります。さらに、歯の根のまわりにも他の神経があります。根の治療後程度の差はありますが、まわりの神経も一時的に痛みがでたり過敏なったりする時があります。
Q.MTAが使えない場合はどのようなときですか?
A.MTAセメントを使って歯の神経を残すためには、歯の根の神経が感染していないことが前提となります。また、神経に達していなくても、神経に近い場所まで進行していれば治療ができないこともあります。何もしなくてもズキズキと痛みがある場合や、痛くはなくてもすでに神経が死んでいる場合、根っこの先に膿がある場合などは適応となりません。

※1 参考文献:Van Nieuwenhuysen JP,Aouar M,D’HooreW

この記事の編集・責任者は歯科医師の幸田昇です。

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