多くの人が歯の矯正で使っているマウスピース矯正が、出来ない人もいるって本当?
厚生労働省の統計調査によると、歯の矯正は2017年〜2022年で、初診数が3.6倍にも増えているそうです。
実際、当院でも2019年から2020年の1年間の法人全体のマウスピース矯正患者数は、6倍にも増えました。
この大きな要因となっているのが、患者さんのデンタルIQの向上と、目立たない矯正装置であるマウスピース矯正装置の登場によるものです。
ここでは、そんな最近人気のマウスピース矯正装置では「歯の矯正ができない」と言われる人の特徴をご説明します。
これまで、歯の矯正というと凹凸のある装置を歯に貼り付けて、ワイヤーを通して歯を動かす、いわゆる「ワイヤー矯正」が主流でした。
近年では、ほぼ透明で目立たない「マウスピース型矯正装置」がその適応症例を増やし、患者数も増えてきています。
しかし、このマウスピース矯正も万能ではなく、この装置では「治療ができない」人もいます。
とはいえ、マウスピース矯正にも様々な種類があり、適応が広いものもあれば狭いものもあります。もし、1つの医院で「できない」と言われても、もしかしたら、他の医院・他の矯正装置ならマウスピース矯正ができる場合もあります。
もし「マウスピース矯正ができない」と言われたら、その装置のメーカーとできない理由をメモにとって、別の医院に相談に行ってみましょう。
CASE1
マウスピース矯正が失敗する最大の原因は「アライナー(マウスピース型矯正装置)の装着時間不足」です。「疲れて外したまま寝てしまった」「外食時に外したら装置を無くした」など、様々な原因でアライナーを着け忘れる場合があります。
たった1日ぐらいと思うかもしれませんが、マウスピース矯正はアライナー1枚あたり約0.25~0.5mm歯を動かす計算で次のアライナーを作っています。この小さなずれが徐々に大きくなり、ある時次のステージのアライナーが全く入らなくなったり、想定通りに歯が動いていないという状態に陥ります。
ですから「装着時間を守れない」「歯磨きが苦手」というズボラな性格な人は、マウスピース矯正が向いていない場合があります。マウスピース矯正は自己管理で行うため「必ず成功させる」という患者様のやる気とご協力が必要な矯正装置と言えます。
CASE2
開咬(ポカン口)や下顎前突(受け口)・上顎前突(出っ歯)などのそもそも治療の難易度が高い不正咬合で、中でも重度の症例の場合、マウスピース矯正では治療が難しい場合があります。
また、不正咬合の原因が骨格性のものの場合も、マウスピース矯正では難しいケースが多いです。
不正咬合には歯の向きが原因の「歯性不正咬合」と、顎の骨格が問題の「骨格性不正咬合」というものがあります。
骨格性不正咬合でもワイヤー矯正で治療が可能な軽度のものや、中にはマウスピース矯正でも咬み合わせを整えることが出来る場合もありますが、「顎変形症」などの診断がついた場合は、外科的な処置(手術)が必要な矯正になる場合もあります。
CASE3
歯は通常、親知らずを含めずに片顎14本、両顎28本で咬み合わせを作ります。
しかし、現代人の顎は食生活などから徐々に小さくなってきているため、この28本も生える場所がないことがあります。
生えることが出来ない歯を「埋伏歯」といい、そのまま骨の中に埋まってしまうと、吸収されて出てこなくなってしまったり、周りの歯にとって障害物となり、不正咬合の原因になることもあります。
埋伏歯になる確率が最も高いとされるのが「犬歯」で、この犬歯は歯の中で最も歯根が長く、将来的に歯を健康に長く保つために重要な役割を担う歯です。
そのため、犬歯が埋伏している場合は矯正治療によって牽引処置を行い、歯を萌出させてあげることが望ましいです。
CASE4
マウスピース矯正に限らずワイヤー矯正においても、歯列矯正でインプラントを動かすことはできません。
矯正治療は歯の根と骨の間でクッションのような役割をしている「歯根膜」という組織を吸収(縮める)と再生(伸ばす)を利用して歯を動かします。この歯根膜がないインプラントは、いくら装置で力をかけても動くことはありません。
そのため、欠損(失った歯)がある上で歯列矯正を行う場合は、インプラント治療前に矯正治療を行う必要があります。
ただし、インプラント治療をした歯が大臼歯の場合、前歯だけを動かすインビザラインGoのような部分矯正は可能です。
CASE5
歯周病は、歯ぐきだけではなく、歯を支える骨を溶かす病気です。重度にまで進行した歯周病の場合、複数の歯を支える骨が吸収され、中にはグラグラしている歯もあるかもしれません。
その状態で歯に矯正力をかけると、歯は動くどころか脱落する恐れもあります。
また、重度ではなくても歯周病の場合、矯正治療をするなら歯周病治療を行う必要があります。
特にマウスピース矯正は歯を全体的に覆う装置のため、歯周病菌が多いとその菌をマウスピース矯正装置内に閉じ込めてしまいます。それにより歯周病の悪化なども考えられるため、矯正前は歯周病治療を徹底し、矯正中も定期的に検診とクリーニングを行う必要があります。
CASE6
歯列矯正自体もそうですが、マウスピース矯正装置を取り扱っていない歯科医院も少なくありません。
また、マウスピース型矯正装置のメーカーも複数あり、それぞれのメーカーによって適応症例や動かせる歯の数が異なります。
軽度の不正咬合しか治せないものや、5番〜5番までしか動かせないもの、成功症例の少ないものもあれば、クレームや批判が多い装置もあります。
当院は、世界中で最も多くの症例実績を持つ、インビザラインを取り扱っていますが、同じインビザラインを取り扱う歯科医院でも、歯科医師によっては経験が少なかったり、しっかりとした知識・技術を持ち合わせていないドクターもいます。
マウスピース矯正は、装置選びと歯科医院選びが重要です。
マウスピース矯正装置で、治療ができるかどうか、どのように歯が動くのかは、iTeroという光学式口腔内スキャナーで口腔内を撮影することである程度知ることができます。
iTeroはインビザラインのメーカーである「アラインテクロノジー社」が開発した光学口腔内スキャナーで、インビザライン矯正の装置を作る歯型をデータとして取ることが出来ます。
もちろん、シミュレーションだけでは全てはわかりませんが、ある程度の期間の目安やどこまで歯が並ぶか、更に治療計画をDATAに加えることで抜歯矯正やアタッチメントを使った場合の歯の動きまで予想をすることが可能になります。
マウスピース矯正装置にも、装置の枚数や特徴、動かせる歯の数など、用途に応じて様々な種類があります。ここでは、当院が取り扱っているインビザラインの種類をご紹介します。
小児用のマウスピース矯正
1〜2歯程度の少数歯を動かす矯正装置
5番〜5番までを動かす前歯用の矯正装置
6番〜6番までを動かす部分的な矯正装置
軽度の不正咬合向けのアライナー枚数が少ない矯正装置
前顎矯正用で追加アライナー規定なしの矯正装置
前顎矯正用で追加アライナー3回、治療期間最大3年の矯正装置
「マウスピース矯正ができるかどうかだけでも知りたい」「まずは相談だけでも」という方は、お気軽に無料矯正相談をご利用ください。
マウスピース矯正を含めた歯列矯正は、期間も費用もかかる治療です。ですから当院も、歯列矯正は焦ってはじめるよりは、じっくり検討してから始めていただきたいと考えています。
矯正装置には、それぞれにメリット・デメリットがあり、患者様においても「やったほうがいい時期」もあれば「(受験や就職などで)待ったほうがいい時期」もあります。
矯正相談では、患者様に応じて適切な矯正装置やおおよその治療期間、費用や注意点など、必要な情報をご提供します。じっくり考えて、良い歯並びを手に入れましょう。
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
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日曜・祝日診療
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