歯周病は、サイレントディジーズ(静かな病気)とも言われるほど、気付かない内に進行し、やがて歯を失うに至る怖い病気です。中等度ぐらいまで進行してようやく症状に気がついて、自身が「歯周病である」と自覚します。
そんな怖い歯周病ですが、「完治が困難な病気」とも言われているため、「歯周病は治療すれば治る?」と不安に思う方もたくさんいらっしゃいます。
ここでは、歯周病に罹患し、治療して改善した方の特徴や症例、対策をご紹介します。
歯周病は歯周病菌という細菌による感染性の病気です。治るか治らないかでいうと、ある程度進行してしまった歯周病に関しては、完全に元に戻ることはありません。
というのも、歯周病というのは歯茎の病気と思われがちですが、実は歯を支える骨を溶かす病気だからです。
同じ骨でも、例えば骨折をした場合、折れた骨をもとの位置に戻し、固定することでいずれ治癒します。しかし、歯周病で溶けてしまった骨は回復することはありません。
しかし、適切な治療とセルフケアを行うことで、痛みや出血・炎症を抑え、進行を止めることができます。この状態を「治癒」と言い、歯周病において「治った」ということになります。
歯周病は進行する病気です。 STAGE1(歯肉炎)→STAGE2(軽度)→STAGE3(中等度)→STAGE4(重度・抜歯)と、段階ごとに症状が悪化してきます。
歯周病の症状は歯肉炎程度では気づくことが難しいです。それが徐々に歯茎が腫れたり出血したり、口の中がネバネバするという症状が現れ始めます。
そしてやがて歯茎がやせて歯が長くなったり、固いものが噛めなくなったり、歯がグラグラするなど、どんどん歯を残すことが難しい状況に進んでいきます。
歯周病は軽度であるほど治療回数も少なく、その爪痕も少なく抑えることができます。
世の中には、たくさんの歯周病ケア用品が販売されています。歯磨き粉、塗り薬、漢方薬、洗口液等、海外製品も含めるとその数は膨大なものになります。
しかし残念ながら、この市販のケア用品だけで歯周病を治すことは難しいと言えます。というのも、歯周病はお口の中にいる菌が原因の病気です。お口の中には数百種類以上、数億個以上の細菌が存在しています。その中には身体の健康のために必要な善玉菌もいれば、歯周病菌のような悪玉菌もいます。現在のところ、このたくさんの菌の中からお口の中の悪玉菌だけを殺すお薬などは存在していません。
しかし、効果がないというわけではありません。菌が増えにくい環境を作ったり、歯肉を引き締める作用は十分考えられますので、セルフケアで使う分には問題ありません。
お薦めは、歯医者で歯周病の治療をしながら、セルフケアで補助的にケア用品を使用することが望ましいと言えます。
それでは、実際にアップル歯科の患者さんで、歯周病の治療をし、「治った」方の例をご紹介ます。
歯垢が多くついた、歯周病の手前の「歯肉炎」の状態です。これぐらい早期であれば、見た目に大きな変化もなく、歯肉の炎症や腫れなども、感じる前に治癒させることが可能です。
Before
After
治療の内容 | 歯周組織検査・スケーリング |
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期間・回数 | 2ヶ月・4回(初診含む) |
費用 | 保険診療:初診・歯周基本検査・再診×2回・スケーリング×2回、合計1420点 4272円(3割負担) ※歯周病は歯の数や進行状況によって費用が異なるため、誰もがこの金額になるとは限りません。 |
リスク・副作用 |
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歯周病が進行し、歯肉がブヨブヨになってしまっています。歯磨き時には出血も確認できます。歯石が歯の根の方まで付着し、その上に歯垢が積もっていますが、歯石や歯垢を取り、プラークコントリールを行うことで、歯茎も引き締まりました。
Before
After
治療の内容 | 歯周組織検査・スケーリング・SRP・機械的歯面清掃・実地指導・再評価 |
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期間・回数 | 3ヶ月・治療回数10回 |
費用 | 保険診療:初診・歯周基本検査(再評価)×2回・再診×10回・スケーリング×2回・機械的歯面清掃×3回・実地指導・SRP×6ブロック・合計4,091点 12,273円(3割負担) ※歯周病は歯の数や進行状況によって費用が異なるため、誰もがこの金額になるとは限りません。 |
リスク・副作用 |
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重度の歯周病で歯が長くなり、歯の隙間も目立ちます。歯石もかなり深く付着していましたが、歯石を取り、継続的な治療を続けたことで、この後8年間、歯を失うことなくとどまることができました。この状態からの全ての歯のを保存できることは稀ですが、きちんとセルフケアをして予防歯科に通えば、重度でも歯を残せる可能性があるということがわかります。
Before
After
治療の内容 | 歯周組織検査・スケーリング・機械的歯面清掃・実地指導・SRP6ブロック・再評価後、STPⅡ(歯周病安定期治療)に移行 |
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期間・回数 | 初診から9年間、45回の通院 |
費用 | 保険診療:9年間の合計47,600円 ※当初は医療費助成制度により600円/日 ※治療当時の保険点数・制度によって算定しています |
リスク・副作用 |
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歯周病の症状が出始めると、歯磨きを頑張ってなんとか症状を抑えようとする人は少なくありません。もちろん、歯磨きを頑張って、丁寧にセルフケアをすることは歯周病の進行を止める上でとても大切です。
しかし、残念ながらそれだけでは歯周病を治すことはできません。歯周病の原因は、細菌でその住処は歯垢です。歯垢は歯磨きだけで100%落とすことは難しく、およそ60%と言われており(過去の海外の研修では歯磨きによる歯垢除去率はおよそ50%であり,1分間における歯磨きではおよそ 39%であった)その歯垢は2日程度で歯石へと変わります。
歯石が増えると更に歯垢がつきやすくなり、すなわち歯周病が住みやすい口腔内となってしまいます。
この歯石は自身で落とすことはできず、歯科医院にんて専門的な道具を使った施術を受ける必要があります。この歯石や歯垢の除去が、歯周病治療の基本的な処置となります。
歯周病が良くなる人は、少なくありません。歯肉炎や軽度であれば、早めに口腔内をキレイにすることで細菌の住処を無くしてあげることで、炎症や腫れも落ち着き、大きな爪痕も残りません。
たとえ中等度に進んでしまったとしても、プラークコントロールがしっかりできるようになれば、歯の隙間や長くなった歯、痩せた歯茎は戻らないにしても、これ以上の悪化を止めることは可能です。
あとは継続的にセルフケアとプロケアを続けていれば、再発を予防することができます。
当院で歯周病が治った人の多くは、歯周病治療をしっかり行い、その後も予防歯科で定期的に口腔内の清掃や歯周病の安定期治療を続けられています。
しつこいようですが、歯周病の原因は細菌で、その住処が歯石であり歯垢です。つまり、歯周病の進行を抑えるにはこの歯周病の住処を取り除き、細菌の数を減らすことが重要です。
そして歯周病菌を全くゼロにすることはできませんので、歯周病の進行を止め続けるには、定期的にこの住処を取り除く必要があります。
現在では、ある程度進行した歯周病を治療した後に、治癒した歯周組織を長期間維持するための制度(SPT)もあり、保険で歯周病の予防も可能です。
「歯周病かな」と思ったら歯医者さんに行くことも大切ですが、「歯周病にならないために」歯医者さんを利用することはもっと大切です。
当院は虫歯も歯周病も、予防を第一に考える歯科医院。歯周病の治療・予防はお気軽にご相談にお越し下さい。
※1)歯磨きによる歯垢除去率はおよそ50%であり,1分間における歯磨きではおよそ 39%しか除去できないことが明らかにされている
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
休診日:日曜・祝日
※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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休診日
日曜・祝日診療
13時迄
最寄り駅はJR神戸線土山駅。2号線沿いでお車、バイク、自転車でのお越しも便利です。駐車場11台あり。
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