初期虫歯には、虫歯になる手前の初期虫歯と虫歯になって間もない虫歯があります。
「虫歯になる手前の初期虫歯」は、歯科検診の用語でいう「CO」のことを言います。
COは、歯のミネラルが溶け出しエナメル質が白濁するため、一見して「虫歯」とわかりにくい状態です。急いで治療する必要はありませんが、放って置くと進行して、治療が必要なC1やC2に移行する可能性があります。
「虫歯になって間もない虫歯」は歯科検診の用語で「C1」と言います。
C1はすでに虫歯になっている状態で、進行が確認されればすぐに治療の介入が必要になることもありますが、経過観察になることもあります。
いずれも早期発見できれば再石灰化を促すことで自己修復したり、削る必要があっても最小限の切削で留める事ができます。
虫歯の治療は、進行するほど歯を削る量が増えてしまいます。
C1という初期の軽度な虫歯は「エナメル質」という歯の一番外側の組織の虫歯のため、削るのもほんのわずかで、主に白い樹脂を詰めて治します。
しかしC2という、エナメル質の内側の組織が虫歯になると虫歯を削って更に詰め物を固定するために歯の形を整える必要があるため、ある程度の歯の切削が必要となります。
そしてC3になると虫歯は神経に達するため歯の神経を取る処置が必要となり、歯冠という歯の見えている部分は全て削り取ることになってしまいます。
C4まで進行すると、ほぼ治療が不可能で歯根が10mm以上残せない場合は「抜歯」となってしまいます。
つまり、虫歯は軽度のうちに治療するほど歯質が残せて、重度になるほど歯質を失うということです。
虫歯は削って治すことが一般的ですが、初期(COや一部のC1)の虫歯に限っては、再石灰化を促すことで自然治癒する可能性があります。
再石灰化とは虫歯菌によって溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す働きのことで、虫歯を削らずに治す貴重な機会です。
この再石灰化が有効な虫歯はごく小さな初期虫歯のみで、エナメル質の内部まで進行した虫歯には効果がありません。
初期虫歯が見つかったら、フッ素入りの歯磨きを使用したり、フッ素を塗布するなどして、再石灰化を促すようにしましょう。
ただし、虫歯は経過を観察すべきか治療すべきかは、判断が難しい病気です。虫歯かな?と思ったら、まずは歯科医師に診てもらう必要があります。
虫歯を削った場合、初期虫歯であれば虫歯とその周辺歯質を最小限削ってコンポジットレジンという樹脂によって治療痕を埋めます。レジンは白くて目立ちにくく、治療部位も小さいため目立つこともありせん。
しかし、わずかと言っても削った歯質は戻ることはありませんので、歯科医師は「再石灰化による修復が期待できる虫歯」に対し「経過観察」という診断を下す場合があります。
また、レジンはプラスチックのようなものですので、着色しやすい、取れる・割れるなどのリスクもあります。劣化が進むにつれて、レジンの隙間や割れた部分から虫歯菌が入り、二次カリエス(虫歯の再発)が発生する可能性もあるため、定期的に歯科で状態をチェック・やり変えをしてもらう必要があります。
初期虫歯は、痛みなどの自覚症性がほとんどありません。特にCOは見た目もエナメル質の白濁など、よく見なければ気づくことができません。そのため、初期虫歯が見つかるのは学校の歯科検診や企業検診、自ら受診する歯科検診などです。
初期虫歯の見た目には、以下のような状態が確認されます。
いずれも、治療が必要かどうかは、歯科医師に判断を委ねましょう。
初期虫歯が見つかって「経過観察」と言われても、どの程度経過を見れば良いのでしょうか?これは、エナメル質の進行速度を考える必要があります。
一般的に、エナメル質の虫歯が象牙質に達するのには、成人の場合半年程度と言われています。
ですから、検診などで経過観察と言われたら、次の歯科検診(2〜4ヶ月後)に虫歯が進行しているかどうかで治療をする・しないが決まります。
もちろん、歯質の状態やメインテナンス状態によって個人差はありますが、「今日みつかったC1が来週にはC2になる」という心配はほとんどありませんので安心してください。
初期虫歯が見つかったら、再石灰化を促すためにフッ素の使用や念入りなセルフケア、糖分摂取の制限や食事の間隔などに配慮して生活をしましょう。
乳歯は、初期虫歯であっても永久歯に比べてエナメル質が薄く柔らかいため、虫歯やかなり早く進行する場合があります。
例えば「今日みつかったC1が来週にはC2になる」ということもあり得ます。そのため、乳歯は初期の虫歯でも、進行が確認されれば早めに治療に介入することもあります。
ただし、お子様の場合、幼い場合は治療ができなかったり、暴れたりする場合があります。
そのため、治療が必要な歯でも止むを得ず経過観察やフッ素塗布に留めることもありますが、日頃から予防で定期的に歯科に通い、虫歯を予防しながら口の中に器具を入れたり歯を触られることに慣れておいた方が良いでしょう。
乳歯は「いずれ抜ける歯だから」と、放置しておくのは最も危険です。乳歯の虫歯は次に生えてくる永久歯や、周りの歯、歯並びにまで影響することもあるので治療が必要です。
みなさんは、鏡を使って自分の歯をどこまで見ることができますか?鏡の前で「イーッ」として見えるのは前歯や第二小臼歯の表面まで、大きく口を開けて歯の咬合面を見れるのは下顎の奥歯程度ではないでしょうか?
実際、前歯の裏側や隣接面、上顎の奥歯をじっくり見るには、手鏡や洗面台の鏡では難しいかもしれません。そんな中、ただでさえ見分けがつきにくい初期虫歯をご自身で見つけるのは至難の技と言えるでしょう。
お子様の虫歯なら、親御さんが仕上げ磨きをする際に、奥まで確認できることもあります。それでもやはり歯と歯の隙間や咬合面の溝の虫歯となると、なかなか素人では判断ができない虫歯もたくさんあります。
ですから、虫歯を初期の段階で見つける最も確実な方法は、歯科医師に診てもらうことです。
そのためにも、定期的に歯科に通い、虫歯を予防しながら検査をする「予防歯科」に通うことが大切です。予防歯科は歯科先進国では一般的ですが、日本でも近年多くの人が利用するようになってきています(※1)。
※1)この1年間に歯科検診を受けましたかという質問に「受けた」と答えた者の割合は、全体で58.0%であった。
ただし、初期虫歯の対応は、歯科医院・歯科医師によって異なることがあります。
現在では、ミニマムインターベンション(MI)という歯の治療を最小限に留めるという考え方主流となっているため、初期虫歯はできる限り小さく削るという歯科医師が増えてきています。
しかし、中にはしっかり削って取れにくい詰め物を作ったほうが良いと考える歯科医師もいます。そのため、A歯科ではレジンで治療できた歯が、B医院では銀歯になる、という違いが生まれることがあります。
アップル歯科では、MIの考え方を基本としていますので、最小限の介入を心がけています。安心してお越しください。
明石アップル歯科 歯科医師
鏡で歯を見て白や黒、茶色っぽい点が歯にあったら、「虫歯かな?」と焦りますよね?
もしかしたら着色かもしれませんし、もしかしたら虫歯かもしれません。
しかし、汚れだと思っても爪楊枝や針などで削り取ろうとするのはやめましょう。かえってエナメル質を傷つけ、虫歯が広がったり別の疾患の原因になります。
虫歯かな?と思ったら、自己判断ではなく歯医者さんに相談するのが最も適切です。虫歯ではなくても、その汚れを落とすことも出来ますし、虫歯の予防処置をすることも可能です。
遠慮なく歯科を受診してください。
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