「炭酸飲料を飲むと歯や骨が溶ける」というような噂がささやかれることがありますが、この噂は医学的には否定的な意見が多いです。しかしながら、虫歯のもとになりやすい砂糖を多量に含んだ飲料はたしかに歯に良くなさそうに感じますよね。
近年の健康志向の高まりにおいても、砂糖不使用やノンシュガー・シュガーレスを謳う商品が多いことから、消費者が特に気にする話題のひとつなのではないでしょうか?そんな飲み物と歯の関係性について、歯科医院の立場から解説させていただきます。
実際のところ、虫歯になる原因として糖分の摂りすぎも考えられますが、他にも大事な要素があります。それは「pH」というものです。
pH(ペーハー potential of Hydrogen)とは、日本語では「水素イオン指数」と言われ、液体が酸性であるかアルカリ性であるかを示すための数値のことです。この数値が低いほど酸性となり、強い酸性であるほど歯の表面のエナメル質が溶けてしまいます。これを「脱灰(だっかい)」と言い、脱灰が始まるpHのことを「臨界pH(りんかいペーハー)」と呼びます。臨界pHは5.02〜5.81程度(※1)とばらつきはありますが、この値を下回るとエナメル質が溶け始めると言われています。
糖分の過剰摂取は、その糖を虫歯菌が分解して「酸」を作り出してしまうので、結果としてお口の中のpH値が下がるということになります。
※1)参考文献 最も溶けにくいエナメル質の場合の臨界pHは5.02,最も溶けやすい場合は5.81となり,大きな違いが認められた.
レモン果汁
pH2〜3
酸性
コーラ
pH2.2〜2.4
酸性
スポーツドリンク
pH3.5
弱酸性
紅茶
pH5.5
弱酸性
麦茶
pH6〜6.4
中性
水
pH7
中性
このpH値の表を見てわかるように、炭酸飲料を飲むと歯が溶けると思われてしまうのも仕方ないのかもしれません。
エナメル質が溶け出す基準として、pH2.2〜3.4の液体に1分間つかると脱灰が始まるとする研究結果もあります。(※2)
そういった状態にしないためにはお口の中を中性に保つ必要がありますが、どのように保っていけば良いのでしょうか?
※2)参考文献 果汁入り清涼飲料水(pH 2.8〜3.7),無果汁清涼飲料水(pH 2.3〜3.4)共に,浸漬1分間でエナメル質は脱灰した.
基本的に、食事を摂ることによってお口の中のpH値は酸性に傾きます。朝・昼・夜以外の食事、つまり間食が多いと慢性的に酸性の状態になり、脱灰が起きやすくなります。
食事の間にお菓子や飲料を飲むことが習慣になっている方は、だらだらと食べないことや回数を減らすことを心がけましょう。
酸性に傾いたお口の中を中性に戻すためには、唾液の働きが重要になります。脱灰は数分で起こってしまいますが、唾液に含まれる成分によって「再石灰化」が促されて元の状態に戻るため、すぐには虫歯にならないのです。
しかし、就寝中は唾液の分泌量が下がってしまうため、寝る直前にお口の中が酸性に傾いてしまうとなかなか元に戻りません。寝る前に歯磨きをした後は、なるべく食べ物・飲み物を摂取しないように心がけましょう。
炭酸飲料は爽快感を得られる身近な飲料ですので、飲んではいけないものではありません。しかし、ケアを怠ってしまえばいずれ歯を失ってしまい、5年後・10年後に楽しく食事ができないことも考えられます。
食生活や歯の状態について知りたいこと・不安なことがあれば、ぜひ当院にお越しください。歯科検診やカウンセリングで自分のお口の中の状態を正しく知り、正しくケアをして、楽しい食生活を送りましょう。
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