親知らずの抜歯と治療後の腫れ

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親知らずは抜いた方がいい?腫れや痛みは?

親知らずが生えてきたら

10代後半から生えてくる一番奥の歯を親知らずと言います。日本人の場合約8割り程度の方の口腔内に存在しています(※表1)。別名「第3大臼歯」「智歯」とも言われますが、乳歯の生え変わりの時期から遅れて生えてくるため、親も知らない間にはえるため「親知らず」と呼ばれています。 この親知らず、日本人は顎が小さいために親知らずが生えるスペースも足りないことが多く、普通の生え方をしないことや一番奥にあることから、汚れやすく磨きにくい歯と言われています。「磨きにくい」といことは、即ちむし歯や歯周病にもなりやすく、様々なトラブルを引き起こしてしまうため、抜歯が望ましいケースが出てきます。

表1 智歯の存在率 智歯の萌出率 智歯の埋伏率
上顎79% 下顎85% 上顎75% 下顎76% 上顎6% 下顎10%
上顎74% 下顎82% 上顎68% 下顎77% 上顎6% 下顎9%

※表1)歯の出現,発育,萠出の時期と頻度について

親知らずが起こすトラブル

前述したとおり、親知らずは歯ブラシが届きにくいため歯茎との隙間や隣の歯との間に歯垢や汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病(智歯周囲炎)を引き起こし、腫れや痛みの原因となります。 また症状が悪化した際、顎や首周りまで炎症が広がりやすい位置にあるため、発熱・倦怠感・腫れなどを伴う蜂窩織炎(ほうかしきえん)という恐ろしい細菌感染症へと発展する場合があり、場合によっては入院治療が必要となることもあります。このようなトラブルを防ぐため、親知らずは悪くなくても抜いてしまったほうが良い場合があります。

抜歯を必要とする場合

親知らずの一部のみが歯ぐきから出ている方、斜めに生えている方で虫歯・歯周病のリスクが高い場合、抜歯が望ましいです。また症状がなくとも第2大臼歯(親知らずの手前の歯)など、周りの歯を健康的に残したいと考えた上で、親知らずが悪影響を及ぼす可能性がるのであれば、健康な歯が害される前に抜歯をしておいた方が良いでしょう。ただし、同じ親知らずでも人によっては抜歯をしない方が良い場合の方もおられます。親知らずを抜く・抜かないはかかりつけの歯科医師に相談して決めることをお勧めします。

また、矯正治療をされる場合、親知らずを置いておくと歯並びを整える邪魔をしたり、せっかく並んだ歯がまた戻ってしまう「後戻り」の原因となるため抜歯しておいた方が望ましいことが多くあります。

親知らずの抜歯方法

外来手術で抜歯を行います。一般歯科で抜歯可能は親知らずの抜歯は入院の必要はありません。

一部のみが生えている場合、傾いて生えている場合は局所麻酔後に歯ぐきを切って、必要な部分は骨を削り、さらに歯を分割して摘出していきます。
親知らずが深くに埋まっている場合や抜歯に伴う麻痺などのリスクが高い方、多数の親知らずを同時に抜歯しなければならない方などは、大学病院に抜歯依頼を行います。場合によっては全身麻酔下で手術を行う場合もあります。 大学病院で抜歯を行う場合は、入院が必要な場合もあります。

1.麻酔下で、歯肉を開きます。

2.歯冠(歯の上の方)と根を分割します。

3.歯冠部分のみ先に除去します。

4.残りの根の部分を除去します。

5.炎症の元となる組織を掻き出し、縫合します。

治療後の腫れについて

抜歯手術は身体への負担が大きいほど、腫れや痛みが強くなります。つまり、親知らずを抜くために歯ぐきを切開する範囲が大きいほど、あるいは顎の骨を削る量が多いほど、治療後の腫れ痛みの症状も重くなります。 親知らずが大きい、頭や根のかたちが複雑、埋まっている位置が深い、抜きにくい方向に倒れている、などの場合は身体への負担が大きくなりやすいです。
手術時は、局所麻酔により痛みを感じないことが多いですが、麻酔が切れた頃から徐々に痛みが出始めますので、処方されたお薬を使うことで対処しましょう。ただしお薬が合わない場合は即座に使用を中止し、医師又は歯科医師に相談しましょう。

腫れや痛みが強いときは患部及び周辺を冷やすと治まることがありますが、冷やし過ぎは禁物です。顔・頬・顎など周囲を含めて全体的に冷やすことを心がけて下さい。

治療後の腫れや痛みはいつまで続く?

親知らずの抜歯の後は多くの場合において腫れると言っていいでしょう。もし腫れなかったら「ラッキー」だと思って下さい。腫れのピークは2〜3日後となります。その後、徐々に腫れが引いていき、7〜10日かけて引いてきます。
侵襲(体を傷つけた大きさ)が大きい場合は長引くこともあります。

一方、痛みのピークは当日・翌日と、腫れよりも早めに現れます。こちらもピークを過ぎると徐々に痛みが予約なり、おおよそ7日程度で引いていきます。痛みがある内は処方された鎮痛剤で対応します。用法・用量を守ってお使い下さい。

まれに抜歯後治癒不全、ドライソケットと言ってなかなか痛みが引かない偶発性が生じることがあります。「おかしいな」と思ったら迷わず歯科医師に相談しましょう。

親知らず、抜歯するなら費用は?

一般歯科での親知らずの抜歯は、ほとんどの場合医療保険が適用されます。そのため、抜歯にかかる費用は3割負担の方で1歯3,000円程度になることが多いです。難抜歯の場合は5,000円程度になることもあります。

ただし、それとは別に初診療が3,000円、抜糸の費用が数百円程度必要となります。

親知らずの抜歯は、初診で抜歯術を行うことはあまりありません。初診では検査をして親知らずの位置や生え方を確認し、抜歯後の感染予防のため口腔内のクリーニングを行ないます。その後、歯科医師が術式を検討した上で後日抜歯となります。ですから、親知らず1本の抜歯に必要な通院日数は短い場合で1.初診・検査・クリーニング、2.抜歯、3.抜糸・経過チェックの3回となります。複数抜歯が必要な場合、右側の上下顎、左側の上下顎であれば同日に抜歯を行うこともありますが、左右1本ずつなど、対角の抜歯は行っておりません。対角の親知らずを抜歯すると食事や咀嚼に影響がでるためです。

親知らず抜歯時の医院選びの注意点

親知らずの抜歯は、歯科医師の経験・知識はもちろん重要ですが、何より重要なのことはしっかりと検査することです。というのも下顎の親知らずの付近には「下顎管」という大きな神経が通っています。そのため、親知らず生え方や場所によってはその神経を傷つけてしまう可能性があります。神経が傷つくと麻痺が残り、日常生活に支障をきたすこともあります。麻痺はおよそ3週間から数ヶ月でなくなることがほとんどですが、中には数年間麻痺が残る方もおられるようです。
また、上あごには上顎洞といって、頬の裏側に骨の空洞があります。抜歯時に歯や骨のかけらがその穴に入りこんだり、穿孔する場合があります。

これらのリスクを避けるためには、CTによる術前検査を行うことが適切です。世の中にはCTが無い歯科医院も多い(※2)ですが、親知らずの抜歯の場合はCTのある歯科を受診するなど、偶発症に備えて予防策を検討した方が良いかもしれません。

主な歯科X線撮影 歯科用 CBCT 普及率約10%

この記事の編集・責任者は歯科医師の村田陽太郎です。

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親知らずの抜歯と治療後の腫れ | 公開日: 2020/01/29 | 更新日: 2020/02/14 | by 加古川アップル歯科

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